えー、わたくし、ヘボいながらも雪山に登ったりすることもあり、特にソロの時はテント泊を好みます。それでいて寝袋はモンベルの#4しか持っていません。
スリーシーズン用寝袋で雪山へ
現在モンベルの寝袋ラインナップから消えていますが昔は#4がありました。もう情報が無いので#4の快適温度がいくつか正確には覚えてませんが、買うときに5℃くらいまでと言われた覚えがあります。そもそも2000m級夏山テント泊用に買ったのでそんなもんでしょう。
重さはスタッフバッグ込みで687g。大きさは子猫くらいです。小さい。

今のモンベル寝袋で近いのは『ダウンハガー650 #5』でしょうか。
見れば判りますが結構ペラペラです。

ダウンハガー650 #5は快適温度が10℃以上、リミット温度が6℃、エクストリーム温度が-7℃となっています。体感としてはこれよりもうちょい暖かいと思うので、#4は快適温度が5℃以上、リミット温度が0℃、エクストリーム温度が-10℃ってとこかなと思います。
これを雪山でも使ってます。もちろんそのままじゃ寒いのでオプションを付けます。
イスカのシュラフカバー
まずはイスカの『ゴアテックスシュラフカバー ウルトラライト ワイド』です。重さは388gです。
シュラフカバーはツエルトと合わせて緊急避難用の装備として持っていて損はありません。また、真夏の低山(1000m未満)ならシュラフカバーを寝袋として使うのもアリです。
雪山ではシュラフが濡れやすいのでゴアテックスのシュラフカバーは必須です。これを被せると結露で寝袋を濡らす事がなくなるし、少し暖かくなります。
それでもまだ雪山では寒いのでダウンジャケット、ハードシェル上下、テントシューズなどを寒さに応じて装着します(装備は季節や山で変わります)。
当然防寒具は全部着ます
ダウンジャケットはユニクロのウルトラライトダウンやシームレスダウンを使っています。シームレスダウンはとても暖かいのですが、ちょっとかさ張るのが難点ですね。寝るときは、それら持ってきた衣類を全部着ます。
そこまでするなら素直に#2(リミット温度-6℃)とか#1(リミット温度-11℃)の寝袋を買えって話ですが、だって、高いし。あと重いし、ダウンジャケットとかなら防寒具として単独で使えるけど、寝袋は寝袋としてしか使えないし防寒具も別に持つと荷物増えるじゃないですか。
なんてことを思っていて、今のところ#4と防寒具でがんばってます(そこまで厳しい登山してないし)。
寒いけど眠れます
実際に#4寝袋+シュラフカバー+防寒具全部(シームレスダウンとハードシェル上下)で、雪中テント泊してみました。

そこそこ冷えますが眠れました。気温は-15℃くらいですね。

テント内が凍る程度には寒かったですが大丈夫でした。なんとかなる。
↓その山行の詳細レポート
『厳冬期の国道299号線は、普通に雪山 - デイリーポータルZ』SOL(ソル) エスケープヴィヴィを追加
寝袋+シュラフカバー+防寒具という構成でもなんとかなってきたんですが、もうちょっと温かくしたいなということで、エスケープヴィヴィを追加してみることにしました。
ヴィヴィ(寝袋)という名前ですが、とても薄いので実質的にはシュラフカバーですね。

重さは244g。イスカのシュラフカバーより4割くらい軽く、コンパクトです。

よくある非常用のヴィヴィ、例えば エマージェンシーヴィヴィとの違いは防水透湿素材を使っているところ。
エマージェンシーヴィヴィは透湿性なし、エスケープヴィヴィは透湿性があります。その分価格は2倍以上します(高い)。
広げるとなかなか大きくて長さは2mくらいあります。

内側はアルミ蒸着。体熱の放射を70%反射して返してくれるそうです。

横にファスナーが付いていて広くガバっと開きます。

レイヤリングとしては、『寝袋+エスケープヴィヴィ+イスカのシュラフカバー』の三層になります。

このレイヤリングで使ってみると、確かにエスケープヴィヴィなしより少し暖かい気がします。

ただ、シュラフカバーよりも幅が狭いので若干狭苦しいというか、窮屈な感じになります。下半身を寝袋に入れたまま胡坐をかいて食事、みたいな動作は厳しいです。これは体の大きさによると思うので、小柄な方は問題ないでしょう(あるいは食事中はヴィヴィを脱ぐとか)。
何度か起きましたが割と快適に過ごせました(ちなみに防寒具はULダウンとレインウェア。レインの下は履かなかった)。

防寒着にも依りますが、シームレスダウンとハードシェル上下を着れば『#4寝袋+エスケープヴィヴィ+イスカのシュラフカバー』で-20℃くらいまでは寝られる温度で過ごせそうです。ダウンパンツを追加すれば更に快適になりますね(持ってない)。
透湿性は?
さて、エスケープヴィヴィの透湿性ですが、まずまずです。
寝袋、エスケープヴィヴィ、イスカのシュラフカバー(これが一番外側)の3枚重ねで寝た翌朝、体の部分は濡れていませんでした。寝袋もエスケープヴィヴィの内側も外側もイスカのシュラフカバーも濡れはありませんでした。外に抜けてテント内の結露になったようです。
足の部分だけはエスケープヴィヴィの内側が濡れていました。前日けっこう足が濡れてしまい(汗と靴の水漏れによる)、それを着干ししたため透湿性能の限界に達したようです。これは仕方ないかなという気もします。
防水透湿のシュラフカバーとしては、イスカのシュラフカバー(2万円)と比べれば格安(5千円)です。同じ性能を求めるのは酷というものでしょう。
値段なりの仕事をしていると思います。
あとは耐久性ですが、丁寧に使えば数年はもつような気がします。生地は紙のような手触りですが、厚みがあり丈夫そうです。
まだしばらく#4をベースにしたレイヤリング寝袋で頑張ろうかなって感じです。
posted by マツモトケイジ at 00:00|
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