2013年12月29日

雪崩対策3点セット

今回紹介するのは『雪崩対策3点セット』です。よく三種の神器とか言ったりしますが、神器って言うほど万能でも絶対でもないので『雪崩対策3点セット』としてみました。

アバランチビーコン

まず最初はアバランチビーコン。1台目って事で、値段ではぶっちぎりの安さを誇るピープスの『フリーライド』を選びました。



樂天の秀岳荘NETSHOPで買いました。調べた限りでは一番安く買えます。送料は無料でした。

Amazonでも買えます。運が良ければ中古を安く買えるでしょう。



で、箱はこんな感じ。

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中身は外国語の説明書、輸入代理店製の日本語説明書、本体(電池入り)、携帯用ハーネス。説明書には使い方から探索の仕方まで書いてあります。フリーライドは海外での値段と差が無いので日本語説明書入りを買うのがよいでしょう。

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本体の下がスイッチになっていて、これがオフの状態。

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反時計回りに回して蓋を閉じるとオンになります。自己診断をしたあと送信モードで起動します。

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これが送信モードの状態。数字は電池の残量です。単3アルカリ電池で200時間保つそうです。

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電池蓋は時計回りに回すと外れます。

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長期間使わない場合は液漏れ対策として電池は外しておきます。

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大きさは手の平サイズ。携帯電話と同じくらいでしょうか。電池を含んだ本体重量は110gです。軽量コンパクトなアバランチビーコンです。

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探索モードにするには、ディスプレイの右にある黄色い所を3回連続でクリックします。すると探索モードになって距離と電波の向きに沿っているかどうかという方向を教えてくれます(埋没者の方向とは限らない)。探すには慣れが必要なので、ビーコンを持ってる人と探索の練習をしておいた方がよいでしょう。

フリーライドの欠点というか価格なりに当然ですが、受信用のアンテナが1本しかありませんので探索モードの感度は高級機に劣ります。1台目として練習用とか、仲間や家族用とか、そういう意味で買うには良い値段だと思います。だって、本格的に高いのって普通に2倍とか3倍の値段なんだもの。


スコップ

ブラックダイアモンドの『トランスファー3』を買ってみました。





小さめのスコップで、重さは650g。青いブレードが可愛い。

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柄は伸ばすことも出来ます。

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外せるので収納するのに便利です。

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手に持ったサイズ感はこんな具合。

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伸ばすとこんな感じ。

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同シリーズでトランスファー7というのもありますが、ちょっとだけ大きく出来てます。重さが120g重いので小さいトランスファー3にしました。

プローブ

最後はプローブ。





ビーコンで埋没者の位置を探して、本当に埋まってるのか調べるための棒です。短く収納できて軽い物がいいかなーという事でブラックダイヤモンドの『クイックドロー スーパーツアー265』を選びました。265ってのは長さです。300cmのもありますが、長すぎても使いにくいかなと。

重さは300g。ってことで、ビーコンが110g、スコップが650g、プローブが300gの合計1,060gが3点セットの重さとなります。雪山って装備が多くて重くて大変ですよね・・・。

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バラバラっと広げて金属ワイヤーのドローコードを引っ張るとテントのポールみたいに棒状に繋がります。なぜか猫が興味津々。

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手元に金属の部品が出てくるので更に引っ張ります。

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パチッと音がしてストッパーになります。

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これで雪の下を探るって訳です。持ち手の部分は滑り止めの為かヤスリみたいにザラザラです。

練習しなきゃです

と、言うわけで3点セットを買いましたが買って持ってるだけじゃ意味がありません。使いこなせないことには宝の持ち腐れですので、機会があったら練習してみたいと思います。


posted by マツモトケイジ at 20:09| ギア

2013年12月06日

昭文社 山と高原地図

今回紹介するのは、昭文社の「山と高原地図」です。本屋さんでもよく見かける登山用地図ですね。1枚945円。なかなかのお値段です。古い山屋さんだと「エアリア地図」なんて呼んでたりします(昔そういう名前だったらしい)。



日本全国に散らばる調査員がメジャーな山域を実地調査した結果をまとめ、登山道の細かい情報まで載っています。全部で59種類あります。

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コースタイム、ランドマーク、道の状況などが細かく載っていて、読図初心者でも見やすく出来ています。尾根や谷には陰影があり、単なる等高線の地図よりも地形をイメージしやすいのも特徴です。地形図には書かれていないような沢の名前や地名がいちいち書かれていて親切です。実地調査は各山域の担当者が行い、1年ごとに最新情報に更新されます。

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毎年買い換える必要もないと思いますが、あんまり古いままだと実際と合っていなかったり、道が通れなくなったりして現地で困ることにもなります(その場合はヤマレコで調べれば事足りる場合が多いと思いますが)。

地図の縮尺は5万分の1で、等高線は20mごとになっています。登山でよく推奨されるのは2万5千分の1の地形図で、こちらの等高線は10mごとになっています。と言うわけで、山と高原地図の場合は標高差17mくらいの小ピークは地図に表現されなかったりします。人間のスケール見るとちょっとした丘が無視される場合があるという事です。

うるさがたの登山者は「高原地図は山で使えない」なんて言ったりもしますが、個人的には無雪期に一般ルートを歩くのなら十分かなと思っています。結局、今どの辺にいて目的地までどのくらいの時間が掛かりそうか?ってのが大事なんですよね。山歩きって。それくらいの用途なら十分使えます。地形を読みながら薮漕ぎをするような人が山と高原地図ではマズイと思いますが、普通に登山道を歩くのなら等高線が10mごとでも20mごとでも大差無いですよ。

素材は耐水性の紙で結構丈夫です。水濡れに強く雨の中で広げても問題ありません。普通の紙で出来てる地形図やパソコンなどでプリントアウトした地図よりも耐久性は高いです。

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情報量が多い地図ですが、端っこに代表的な山頂から見られる山が描かれていて山座同定にも使えます。まぁ、山頂にはこういう石碑があったりするのですが、混んでると見るのも大変ですから地図に載ってるのは便利です。

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あと、ガイドブック的な冊子も付いています。代表的な山の登山コースを文章と写真で紹介していますので、事前に計画を立てる時や道中暇な時間に読むといいかと思われます。

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iPhoneアプリ版もありまして。アプリ自体は無料で地図が1枚500円。紙地図のおよそ半額ですがガイドブックはありません。

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GPSと連動していて現在地がどこか表示されますし、一応GPSログも取れますので山もGPSも初心者という方にはいいアプリだと思います。



さて、「一般ルートなら十分使えます」なんて書いておいてなんですが、僕は山では山と高原地図をほぼ使っていません。なぜかというと、山ではもっぱら拙作DIY GPSを使っているから。DIY GPSには山旅倶楽部の地図を入れています。

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年間2800円で全国の地図が使い放題ですから価格もそれほど高くありません。GPSを使うと地図読みが出来なくなるなんて事を言う人もいますが、GPSでも表示されるのは地形図ですから、地図読みが出来なければ使えません。

単に現在地がどこか判るってだけの話で、どこをどう歩くのかは基本的には人間が地図と実際の地形を見て判断するわけです。GPSにどのくらい頼るのかは使う人次第かなと思います。極力使いたくない人は緊急時以外は紙の地図を使えば良いわけですし。

山で使わないのなら山と高原地図はどこで使うのか?僕は山行計画を立てる時に使っています。

山行計画の作り方

僕が登山を始めた頃、妻はすでに登山経験があり、山行前にはしっかりと計画書を作っていました。それを見ていたので山行計画はしっかり作るものだと思って8年間山に登ってました。

計画の立て方は妻の計画を見たり、自分で作って行く中で覚えたので誰かに教わったものではありません。自己流ですがここに『山行計画の作り方』と題して手順を書いてみたいと思います。

1.登る山を決める
まずは目的地の設定から。これはもう、どこに登りたいのか?という自分の欲求とレベル次第で自由に選びます(もちろん技術的に不足していて危険な山には登りません)。季節や使える日数にもよりますが登りたい山に登るのが一番です。

2.日程、メンバーを決める
山と日程を決めて行ける人を集める事もあれば、山とメンバーが決まっていて、みんなが都合の良い日を選ぶこともあります。

企画者としてリーダーも兼ねるのであれば、パーティーの人数を自分が面倒を見きれる程度に制限する必要があります。もし多くなりすぎた場合はメンバーの中からもう一人(とか二人とか)リーダーを選んで頼んでおく事になります。

なお、民主主義すぎると登山はうまくいきません。特に、安全に関わらない好みの問題で済むような事はリーダーが決めちゃっていいと思います。安全についてはリスクを被る人の希望やリーダーの判断が大事になると思います。なにしろ決断は大変ですが、リーダーならガンガン決断していきましょう。

3.タイムスケジュールを作る
僕はここで山と高原地図を使います。

面倒ですが、きちんとタイムスケジュールを作らないで山に登るのは避けた方がいいと思います。じゃないと、大体後ろにズレて真っ暗な山を歩く事になり大変危険です。

メンバーが決まっていて、大体の体力や技術を把握しているのなら行動時間が予想できます。基準は山と高原地図のコースタイムで、歩くのが遅い人がいればコースタイムの3割増しや5割増しにします。健脚パーティーの場合でも、一度歩いたコースでなければコースタイム程度にしておいた方が無難です。休憩は1時間に5分程度、食事休憩は30分程度など休憩の時間も決めておきます。雪が積もっていればラッセルで時間が掛かる事も予想されますので、そういった条件も直近の記録をヤマレコなどで調べて加味します。

各チェックポイント間の時間と休憩時間が判ったら、それをゴールしたい時刻からマイナスしていきます。例えば15時にゴール(下山や宿泊地への到着)したいのならば、そこから引いていきます。すると、何時に登山口を出ればいいのかわかります。これが早過ぎて辿り着けない時間なのだとしたら、計画に無理があるので見直しが必要です。コースや日程を変えるか、メンバーに頑張らせるか考えます(山では過度に頑張ると怪我をするのでお勧めしません)。

と、いう様な感じで時間を計算して作った山行計画の例を載せます。
春に奥多摩の御前山に登った時に作った計画です。

奥多摩御前山登山計画 『かたくりの花を見に行こう』
■日付 2013/05/05

■行程 歩行時間4時間半
08:30 奥多摩駅集合
08:35 奥09鴨沢西行き
09:00 奥多摩湖着 トイレ有り ダムを渡って登山口へ

09:30 御前山登山口出発
 歩行時間160分 休憩20分
12:30 御前山到着
 休憩30分 避難小屋にトイレ有り

13:00 出発
 歩行時間50分 休憩10分
14:00 栃寄の大滝
 歩行時間60分 休憩10分
15:10 境橋バス停 バスで奥多摩駅へ もえぎの湯で入浴

日没 18:02

■持ち物
・カメラ
・アイゼンは無くてもOK
・行動食と昼食を持参
・雨具、防寒具、ヘッデンは常備
・飲み水 途中に水場はありません(御前山の山頂にあるが春は汚染のため使用不可)
・温泉用タオル、着替え等

■危険箇所
奥多摩湖から御前山への上りは結構急登です。
栃寄の沢沿いの道はロストしやすいので目印に注意。ロストしたら引き返します。
雨天の場合、荒天が予想される場合は中止の連絡をします。

持ち物や危険箇所、日没時間の情報も書いておきます。メンバーによってはウェアや細かい持ち物も書いた方がいい場合もあります。それはケースバイケース。

山によってはエスケープルートを設定しておくことも大事です。時間や体力、怪我などの問題でリタイアする事になった時、迷わずエスケープルートを取れるように考えておきましょう。

行ったことがあって、メンバーも自分と妻だけだったりすると計画書も簡単なものになったりしますが、簡単な山行でも最低限の計画書は作ります。じゃないと行動の判断がしにくいです。
■伊豆ヶ岳登山計画 実施日:2013年11月17日

06:17 葛西駅発
06:33 大手町 乗換 丸ノ内線 06:42発
06:58 池袋 乗換 西武池袋線快速急行長瀞行 07:05発
08:27 正丸着

08:40 正丸駅発
09:10 馬頭観音 09:15発
10:55 伊豆ヶ岳山頂 11:05発
11:30 古御岳
12:05 高畑山 休憩40分 12:45発
13:25 天目指峠(ここから林道にエスケープ可能→西吾野駅へ6km)
14:15 子ノ権現 14:20発
14:55 浅見茶屋
15:30 秩父御岳神社
16:00 吾野駅

電車は15:55、16:08、16:47、17:08など

この計画のように、メンバーで電車の乗換えが同じ場合は電車の乗換えも書いておきます。車の場合は集合場所、レンタカーの割り勘金額など(レンタル代、高速代、ガス代の概算)、宿泊の場合は総額いくらになるのかなど金額も調べて書く事もあります。

形式は作る人によって様々で、妻が作るとこんな感じになります。

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これはスノーシューツアーの部分がペンションのオーナーの案内次第なので空欄になっています。自分でルートを決める場合は細かく調べて書くことになります。

メンバー間で必要な情報を共有出来るのなら形式はどうでもいいと思います。内容の密度も毎回違っていいと思います。特に決まりはありません。

4.配布、共有
作った計画書はメールやSNSでメンバーと共有しておきます。更に親切な場合はプリントして当日配ったりもします。メンバーは計画を受け取ったらちゃんと目を通して、自分は何時に登って何時に降りてくるのかくらい把握しておきましょう。家族がいる場合は計画書のコピーを家族に渡しておくことも大事です。

5.計画通りに実施する
天気など問題が無ければ山行を実施します。出来るだけ計画通りに行動できるように、危険がない程度に急ぎます。色んなリスクを常に天秤に掛けて、より安全な方を取るように頭を働かせる必要があります。登山って頭も使うんです。

登山まで時間に追われたくないという向きもあるでしょうが、山でのタイムオーバーはリスクを増します。計画通りに行動するのも安全登山の一環と考えて、出来るだけ時間を守る努力をしましょう。

と、いう感じで僕は山行計画を作る時だけ山と高原地図を使っています。アプリ版の方が地図が安いのでアプリ版で地図を買って、それを見ながら計画を作っています。そういう使い方には便利な地図だと思います。

そうそう、メンバー用の登山計画書とは別に、登山口のポストに入れる登山計画書も用意して投函しておきましょう。もしもの時に捜索の効率が上がりますので助かる確率も上がります。


posted by マツモトケイジ at 19:02| 登山情報