2014年10月07日

キャッシュ型オフラインGPS Geographica(ジオグラフィカ)

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Geographica公式サイト
http://geographica.biz/




新しいGPSアプリを作りました。名前はGeographica(ジオグラフィカ)です。DIY GPSで培った登山用GPSアプリのノウハウをすべて投入しました。地図はGoogleMapのようにオンラインから取得し、それをアプリ内にキャッシュすることで、携帯圏外の山奥でも地図表示とナビゲーションを実現します。7月のモンブラン登山ではプロトタイプのテストを行い、全行程のログ記録に成功しています。

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基本機能はDIY GPSと同様で、トラックの記録、ルート案内、シェイクスピーチ機能などDIY GPS独自の機能も搭載しています。まぁ、作ってるの同じ人間ですからね。DIY GPSの仕様を洗練させ、データのフォルダ管理やルートのスタートとトラック記録のスタートを連動させる機能(トラックリンク)なども搭載しています。

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DIY GPSは増築を繰り返し、全体的に無理がある構造になってしまいました。Geographicaは最初から入れるべき機能が判ってますから、それらを無理なく配置してあります。

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『よく行う操作は少ないタップ数で、たまにしか必要無い操作は目障りにならない場所に』というコンセプトで、最初からデザインされたGPSアプリです。

一度使ったらDIY GPSには戻れないほど快適です。

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アプリ本体は無料です。もし気に入ったらアプリ内課金で機能制限を解除する『機能制限解除』を購入していただく方式になっています。

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Geographica - Keiji Matsumoto

インストールはコチラから




posted by マツモトケイジ at 16:10| スマートフォン

2014年06月19日

地図の登山道について




地図の登山道は結構間違っています

DIY GPSのテストとトレーニングを目的として鳳凰三山に登ってきました。歩行中のログを取りましたが、地図の登山道とはかなりずれていました。

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クリックすると拡大します。

黒い線が地図(これは山旅倶楽部)の登山道で、赤いのがGPSログです。この様に地図の登山道はGPSログの結果と比べるとかなり違う事が判ります。GPSログの精度は半径5m〜10mでしたのでかなり正確です。それでこれだけずれるわけですから、地図の登山道が間違っている(あるいは測量当時と変わった)と言えます。

鳳凰小屋に向かう登山道の『白糸の滝』周辺は地図とGPSでかなりずれがあります。ここは新しい道が出来ていました。ただ、少なくとも4年前には変わっていました。そういう変更はこの地図には反映されていないということになります。

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ここの登山道変更は2014年版山と高原地図でも反映されていません。2010年に通った時はすでに違う道になっていましたので少なくとも4年は放置されている事になります。登山道の形については国土地理院の地図を元にしている地図は全て情報が更新されていないようです。

あとついでに細かい突っ込みをすると、山と高原地図アプリはログの線をかなり太く描きます。必要以上に太いです。これ、おそらく実際のGPSログと登山道がかなりずれている事を自覚しているからです。線が細いとずれが目立つので太くしているのでしょう(これで設定は『普通の太さ』です)。あんまりスマートなやり方とは思えません。

ポイントの位置が違う場合もあります

また、薬師岳から伸びる中道の途中には御座石(ございし)という岩があります。山と高原地図アプリの画面で見るとカクッと曲がった場所にあります(画面中央やや右下)。

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こういう岩です。標識にも御座石と書かれています。

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この御座石ですが、実際はもう少し上の方にあります。

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GPSの表示、ログ、写真を撮った時間で確認しました。山と高原地図の位置とはかなり違います。では山と高原地図や山旅倶楽部の地図がおかしいのはなぜなのかと言えば、元の地図である国土地理院の地図に描かれている登山道が現状と違うからです。

そもそも国土地理院の地図が違う

国土地理院の地理院地図をカシミール3Dで表示し、GPSログを重ねました。赤い線がGPSログです。

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赤い線がGPSログで黒い点線が地図の登山道です。ずれてますね。山と高原地図は国土地理院の地図を元にしていますので(地図にそう書いてあります)、当然登山道もずれるわけです。御座石の位置が間違っているのは昭文社の問題でしょうけど。山と高原地図の画面に国土地理院の地図を重ねると、登山道の表記がピッタリ一致し、同様にずれています。

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見づらいですが、紫の線と黒い点線が重なっています。

つまり、地図に載っている登山道やポイントの位置は実際と違う場合が多々あります。これは南アルプスの一部分ですが、奥多摩でも八ヶ岳でもずれている場所はいくらでもあり、正しいのは『精度が高い状態のGPS』です。登山道の表示についてはかなりの間違いがあることを覚えておいて下さい。

しかし、国土地理院の地図はともかく、毎年改訂版を出す山と高原地図は現地の調査員がこういう間違いを直していかないといけないと思います。じゃないと改訂版の意味がないですよね。GPSを使えば登山道の記録なんて簡単に出来るわけですし、御座石の位置はもうずっと間違ったままです(少なくとも4年前から)。いかがなものかと思います。

まとめ

・地図の登山道は結構間違っているのでGPSの現在地と道がずれていても慌ててはいけません。
・ポイントの位置もずれている事があります。
・GPSの現在地表示は『精度』を見て信憑性を判断して下さい。
・地図もGPSも過信は禁物です。
posted by マツモトケイジ at 09:19| 登山情報

2014年04月30日

ガストン・レビュファ 星と嵐




今回紹介するのは、ガストン・レビュファの『星と嵐』です。

 

僕が読んだのは集英社文庫版。

山岳文学としての金字塔、超有名な一冊なので読んだことがある人も多いと思います。レビュファはフランスのマルセーユ生まれにしてシャモニの名ガイド。そして『山の詩人』とも言われる文才で山行記を文学に昇華されたと言われる人物です。また、本の執筆にとどまらず映画まで作ったというのだからたまげます。

『星と嵐』は副題に『6つの北壁登行』と書かれている通り、6つ北壁を登った山行記となっています。グランド・ジョラス、ピッツ・バディレ、ドリュ、マッターホルン、チマ・グランデ・ディ・ラヴァレド、アイガー。正直、聞いたことがあった名前はグランド・ジョラス、マッターホルン、アイガーの3つだけでしたが他の北壁登行記も素晴らしいです。

文章には仲間と山に対する愛が溢れ、臨場感と緊張、登った喜びに満ちています。まさに文学。

読むほどに痺れるフレーズも出てきます。

例えば、

『ザイル・パーティーの同志愛こそ、真にすばらしいものだが、このクラックの端までは一人の力で行かなければならない。一人でこれをよじ登るのだ。二〇メートル下には仲間がいる。もし、スリップしたら、墜落はひどかろう。ザイルがちゃんとあるにはあっても、役には立たない。しかし、わたしはザイルなしには、友情なしには登れない。このザイルが心を温めてくれるのだ』(P52 グランド・ジョラス、ウォーカーバットレス登攀中)

『このように、あこがれから、人生の大きなよろこびは生まれる。けれどもあこがれはいつでも抱いていなければならない。わたしは思い出よりもあこがれが好きだ。』(P57 グランド・ジョラス、ウォーカーバットレスを登ったあと)

『わたしは解けた雪でぬれたポケットに、冷たくなった手を突っ込み、また出しなおすのをためらっていたが、自分に言いきかせた。「二人のうちでガイドは自分だ。ガイドたるものは不死身でなければならない」そう言いきかせると、わたしは指を凍傷にやられない確信が湧いた。』(P92 ピッツ・バディレの北壁登攀中)

『天に向かってそそり立つピラミッドの頂上で、かよわい人間のわたしたちは、地球が眠りにつく場面に立ち会っている。それから地球とともに夜へ身をゆだねる。』(P134 マッターホルン北壁を登ったあと)

『三日間、わたしたちは難場、寒気、嵐など、人間に刃向かうものにしか遭遇しなかった。〜中略〜 そしていま、わたしは晴天の時に成功したアイガーの貧しさを思うのだ。』(P201 アイガー北壁を登ったあと)

困難は愛するが、危険は大嫌いというレビュファ。困難が多い北壁の登攀を仲間と成し遂げる、その喜びが1文字1文字から感じられます。読めば読むほどアルパインクライミングをしたくなる名著です。

素晴らしい一冊でした。
posted by マツモトケイジ at 22:24|